粉引の説明

ほっこりあったか粉引の器

ほっこりあったか粉引の器粉引は「こひき」と読み、元々は朝鮮から日本に伝わったやきものです。
ベースである器(赤土の素地)が乾ききらないうちに白い化粧泥をかけ、さらにその上から透明釉をかけて焼き上げます。
化粧掛けで水分を吸った素地はもろく、制作段階で崩れ去ることもあるリスクの高い技法です。
そのまま焼けば茶色になる赤土に、わざわざ白くお化粧している器なのですが、それならはじめから白土で作れば...思いますよね。
でもそれではあの温かい雰囲気は表現できないのです。
化粧から素地の土味が見え隠れする独特の風合いは、手間のかかる粉引ならではの魅力ではないでしょうか。

粉引きの器は育てるもの

粉引きは素地土の部分が透けて見えたり化粧に厚みのあるところはもったりとしたり。
色んな表情をたのしめる器ではありますが、素地と化粧と釉薬との3層構造であるが故に、その隙間にピンホールと呼ばれる小さい穴が生まれます。
水などがしみこみ使うほどに、じょじょに色が変わっていきます。
一見、白で使いやすそうな、無難な印象を受けるの粉引きですが、実は育てていく器なのです。 是非変化を楽しみながらお使いくださいね。

使う前に少し手間をかけてあげてください

一番初めにお使いになるときは、まず目止めをしてください。
米の研ぎ汁で器を20分ほとコトコトたいてやってください。米糠が土の目地の隙間を埋め、強度を増し、汚れを染み込みにくくしてくれます。
日々のご使用の前には、お手間でなければ、しっかりと水に浸けて充分吸水させてください。
その後水分を拭き取り食材を盛り付けてください。
水をぐんぐん吸う時に器によっては水玉模様のように水シミが出来てびっくりすることもありますが、乾いていくうちに消えていきます。
使い始めの頃は、いきなり油が多い肉料理やカレーやトマトシチュー系など色の強いものも避けて頂いたほうが安心です。
使い込むうち、全体に落ち着いた風合いに育っていきます。
あれこれ手間もかかる器ですが、粉引きにしかない魅力を楽しんで頂ければとおもいます。